お客様の悩みを聞くこと。
これはカウンセリングではなくヒアリングだ。
カウンセリングはキャッチボール。
悩みを聞いた後に、ベストな解決策を提案することができなければ成立しない。
しかしこれは独自性に欠けるだろ?
競合と差別化するには…
その人の物語を作ることだ。
これはあまりやっていないから意識してみるといい。
僕は物語を意図的に作るカウンセリングをすることで、次回予約率は90%を超えている。
今回はそのカウンセリングのやり方を解説していく。
では、まずはじめに、なぜ物語が必要か?ということなんだが、それは単純に人は物語に惹かれるからだ。
例えば有名な漫画ワンピースはどうだろう。
シャンクスに命を助けられ、憧れの海賊に1人で旅立つ。
仲間と協力して、ワンピースという大秘宝を探しに大きな敵と戦って成長していく大スペックアドベンチャーだ。
しかも、ワンピースという大秘宝は単行本100巻を超える今も謎なまま。
夢や憧れ、仲間との友情、浪漫溢れるストーリーに世界中の人が虜にされている。
話を戻す。
僕らがやっている美容室には、ストーリーがある。
どんな店にもだ。
僕も出店するまで色んな経験をしてきた。
それは何にも変えられない、たった一つの物語だ。
人にはそれぞれストーリーがあるわけだ。
来店するお客様にもただ美容室に来ているわけではない。
その人それぞれに物語がある。
しかし、お客様は自分のことを物語にはできないのだ。
だから僕たちがカウンセリングで物語を演出する。
そうすることで、お客様の感動ポイントがグッと上がる。
では具体的にストーリーの作り方を紹介しよう。
僕が作成するお客様のストーリーは
この順番に沿ってカネカの質問を繰り返して作ります。
カネカの質問と言っても海辺のカフカではありません。
カ=〇〇ですか?(質問)
ネ=〇〇なんですね(復唱)
カ=〇〇ですか?(質問)
質問と復唱をひたすらしましょう。
では、具体的に解説していきます。
① 現在
まず、今現在の悩みと手に入れたいスタイルを伺います。
質問は
「本日はどうなさいますか?」
「また今お手入れでやりにくいところないですか?」
このような質問を投げかけるとお客様は、
「今日はカットとカラーをしたいです」
「白髪が増えてきたのと、髪が伸びてきてまとまらなくなってきた」
と答えられたとします。
そしたらここでお客様の言葉を復唱します。
「今日はカットとカラーですね」
「白髪と髪のまとまりが気になるんですね」
と復唱したら、また質問します。
この時、復唱したことを深掘りするように質問してください。
この場合だったら
「どんなヘアスタイルになりたいですか?」
「どんなカラーをイメージしてますか?」
上記のような内容だ。
これを繰り返すことで初対面でも「よく聞いてくれる美容師」
になり信用していただける。
この要領で、②に進みます。
②過去
今日から遡って、どのくらい前から気になっているのかをお伺いします。
上記の例文だと、
「白髪と髪のまとまりが気になるんですね」
の続きだ。
この時
「いつぐらいから白髪が出てきたのが気になってましたか?」
「いつぐらいから髪がまとまらなくなってきましたか?」
になる。
ここで、過去の体験談なども聞くといい。
「前回いつぐらいに美容室に行きましたか?」
「そのときはどんな風にオーダーしましたか?」
などだ。
自分の過去の体験談を話ししてもらい、それを復唱することで、より理解が深まるのはもちろん、お客様からも「こんなに聞いてくれるんだ」となる。
そして次に③の未来だ。
③未来
①②は正直どの店舗でもやっているに違いない。
というかこれさえもできなければ、お客様はリピートしない。
そこで③の未来になる。
これがカウンセリングで他店と差別化できる要因になる。
①②は当たり前。
③はお客様にとって意外なのだ。
だから、こう質問してくれ。
「半年後に自分の髪がどうなってたら嬉しいですか?」と。
そうするとお客様から、
「今より嫌いな髪になっていたい」と言われます。
そこで
「美容室帰りの仕上がりが長く続いたら嬉しいですよね」と共感してください。
結局のところ、みんな綺麗になりたいのだ。
ここまできたら④を再度説明する。
④現在
最後の現在を伝えるときにストーリー調では話をするのがおすすめです。
やり方は、今までの内容を話すだけ。
そして最後に、
「では本日は以前のお悩みを改善する白髪染めとトリートメントのコースをしていきますね。」
「半年後も綺麗な髪でいられる土台を作りますので、よろしくお願いします」
僕は必ず、この一言を言って施術に入る。
まとめ
以上のことをすると、現在→過去→未来→現在の順番でお客様のストーリーを伝えられる。
またご自身で言語化したことだから、なおさら心に響く。
僕の場合、新規客の場合は細かくカウンセリングするが、顧客はスタイル変更などの希望がなければ5分くらいで終わるようにしている。
あとはポイントとしては語尾に強弱をつけたり、え~そうなんすか?などの感嘆後を入れたりすることで、よりドラマチックさを演出できる。
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